Debian GNU/Linux 11 (bullseye) のインストールメモ
経緯
- 学生時代に購入したLet's Note に Debian buster をインストールして使っていたが、さすがに購入から11年が経過したことから、新しいPCへ移植させることとした。
- 所持しているWindows PCはまだ現役として機能できることから、中古でLet's Noteを購入し、Debian bullseyeをインストールして使うこととした。
中古Let's Noteのスペック
- Debian buster をインストールしていたLet's Noteと比較して格段に処理速度が早いです(当たり前)
- Panasonic Let's Note
- CF-SZ6ED9QS
- CPU: Intel(R) Core(TM) i5-7200U @2.50GHz
- メモリ: 8GB
- ディスク: SSD 256GB
- 無線LAN: IEEE802.11a/b/g/n/ac
インストール実施月
- 2022年02月: イメージディスクの作成
- 2022年04月: Debian bullseyeの基本インストール
参考
- Debian公式HPのインストールガイド
準備
USBデバイス名の確認
- インストール用のUSBはDebianで作成しました。そのあとでUSBから起動して Debian bullseye をインストールします。
以下のコマンドでUSBデバイス名を確認します。自分の場合、
/dev/sdb
にあたるようです。$ sudo -s # fdisk -l
インストールイメージを取得する
- Debian の公式HPからインストールイメージをダウンロードします。wgetで取得します。
2022/02/12時点での最新版は、
debian-11.2.0-amd64-netinst.iso
(378MB程度)# wget https://cdimage.debian.org/debian-cd/current/amd64/iso-cd/debian-11.2.0-amd64-netinst.iso
USBメモリにisoファイルを焼く
上記作業の続きです(sudo -s で root になっている状態)。以下のコマンドを打鍵し、USBメモリに焼きます。前回 buster をインストールしたときには sudo では「許可がありません」とエラーが出たが、今回は問題ありませんでした。
# cat debian-11.2.0-amd64-netinst.iso > /dev/sdb # sync
PCのドライブ読み込み順の設定
- PCのBIOSで設定します。使っている機種によってBIOS起動の方法は異なります。
- USBドライブから優先的に起動するようにします。
- 今回、Let's Note CF-SZ6で実施しましたが、BIOS起動が少々面倒でした。
USBメモリからインストール
ネットワークに接続する
Debian10 busterのときにDHCPの自動設定で失敗した経験から有線LANで実施。
USB挿してPC起動
途中で聞かれる質問には以下のように回答。
- Install
- Language:
日本語
- 場所の選択:
日本
- キーボードの設定:
日本
- ネットワークハードウェアの検出: (見つからないファームウェアがあった場合、その名前をメモしてから)
いいえ
- 私の環境では
iwlwifi-8265-22.ucode
からiwlwifi-8265-36.ucode
までが見つからず
- 私の環境では
- ネットワークファームウェアの検出:
いいえ
(聞かれなかった) - プライマリネットワークインターフェース:
eth0
(聞かれなかった) - ホスト名: お好きなものに (今回は
debian
とした) - ドメイン名:
kugi-mete
(別になんでもよいが、研究室時代の名残で設定) - root のパスワード:
- 新しいユーザーの本名:
- アカウントのユーザー名:
matsuba
(ここは各自) - 新しいユーザーのパスワード: (rootのとは一緒にしない)
- パーティショニングの方法:
ガイドーディスク全体を使う
(お好きに) - パーティショニングするディスクの選択:
SCSI3
(SSDのほうを選択) - ディスクのパーティショニング:
すべてのファイルを1つのパーティションに
- 変更内容を確認して、
パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み
- 「ディスクに変更を書き込みますか?」に
はい
- (少し時間がかかります)
- 変更内容を確認して、
- Debianアーカイブミラーの国:
日本
- Debianアーカイブミラー:
dennou-k.gfd-dennou.org
- httpプロキシの情報:
なし
(空白で続ける) - Debianパッケージ利用調査に参加しますか: (お好きに)
- インストールするソフトウェアの選択:
- Debianデスクトップ環境:
GNOME
(お好きに) - SSHサーバ (デフォルトでは選択されていないので注意)
- 標準システムユーティリティ
- Debian buster のときにあった
プリンタサーバ
は選択肢になかった
- Debian buster のときにあった
- Debianデスクトップ環境:
- (少し時間がかかります。私の環境では10分程度)
- ハードディスクへのGRUBブートローダのインストール:
はい
(聞かれなかった) - ブートローダをインストールするデバイス:
/dev/sda
(SSDのほう。聞かれなかった)
インストール完了
USBを引き抜いてから再起動します (USB挿しっぱなしだと再びインストーラーが起動してしまいます)
基本情報の設定
画面解像度の変更
- 文字が小さいので
1920x1200(16:10)
から1280x800(16:10)
に変更
日本語入力
- 画面上で
日本語(Mozc)
に設定
端末の確認
- 画面左上の「アクティビティ」
- 検索ワードで「terminal」と入力すると「端末」が候補に表示されるので選択
- お気に入りに追加しておくとよいでしょう
rootになれるか確認
以下のコマンドを打ち、端末の "$" の部分が "#" に変わったら root になっています。root から抜ける際には
exit
で。$ su -
Emacsのインストール
エディタとして普段emacsを使用しているので、まずはその準備から。
# apt install -y emacs
起動するデフォルトのエディタをemacsにしておきたいので、通常ユーザーに戻って
~/.bashrc
に以下のように書き込みます。-nw
は no windowのオプションです (私はこのやり方で使用しています)export EDITOR=/usr/bin/"emacs -nw"
~/.bashrc
の書き換えが終わったら、設定を反映させます。$ emacs -nw ~/.bashrc # ~/.bashrc への書き込み $ source ~/.bashrc # 設定の反映
sudoの設定
毎回rootになるのは面倒なので、sudoできるようにします。
# apt install -y sudo # visudo
visudo
起動時には違うエディタが起動するのですが、ここだけ我慢します。
# User privilege specification
の行を探し、次のように書き換えます。# User privilege specification root ALL=(ALL:ALL) ALL username ALL=(ALL:ALL) ALL Defaults:username !env_reset
username
とある部分は自分のアカウント名に読み替えてください。
aptの設定
root になったうえで
/etc/apt/source.list
を開きます。sudo で作業しても同じことです(# とある部分は $ sudo に読み替えてください)# emacs -nw /etc/apt/source.list
次のように書き直します。
contrib
とnon-free
を付け足します。deb http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye main contrib non-free deb-src http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye main contrib non-free deb http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main contrib non-free deb-src http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main contrib non-free deb http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye-updates main contrib non-free deb-src http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye-updates main contrib non-free
電脳製品(DCLなど)を取得するために配布先を付け足します。
deb http://www.gfd-dennou.org/library/cc-env/Linux/debian-dennou bullseye main deb-src http://www.gfd-dennou.org/library/cc-env/Linux/debian-dennou bullseye main
利用するには公開鍵の登録が必要なので、地球流体電脳倶楽部謹製品 Debian パッケージ集を参考に、以下のように鍵を登録します。
$ sudo apt-get install debian-keyring $ gpg --keyring /usr/share/keyrings/debian-maintainers.gpg --export -a 891D7E07 | sudo apt-key add -
最新版のソフトウェアにアップデートするために以下を実行します。
$ sudo apt update $ sudo apt upgrade
ホームディレクトリのディレクトリ名を英語に
コマンドラインで以下のようにします。
$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
- 「次回から表示しない」(英語で Don't ask me this again と表示されるかもしれません)にチェックを入れた上で Update Names を選択します。
ファームウェアのインストール (無線LAN関係)
見つからなかったファームウェア
iwlwifi-8265-22.ucode
ほかについて、<URL:https://www.debian.org/distrib/packages> で適合するパッケージを検索するとfirmware-iwlwifi
と分かりましたので、これをインストールします(Bluetoothに関するファームウェアでした)。# apt install -y firmware-iwlwifi
- PCを再起動します。
プリンタの設定
- これは別のページで手順を記載します (準備中)。
- 私の環境では Brother DCP-J715N プリンタに適合させる必要があります (一般的な話ではありません)。
データ解析関係ソフトウェアのインストール
プログラミング言語
Fortranコンパイラ
# apt install -y gfortran
Cコンパイラ
# apt install -y gcc
Rubyインタープリター
# apt install -y ruby
データフォーマット
NetCDF
# apt install -y netcdf-bin libnetcdf-dev netcdf-doc
作図・データ解析 (電脳製品)
Fortran版DCL・GPhys
# apt install -y dcl-f77 # apt install -y gphys
RubyDCL
はGPhys
をインストールした際に一緒にインストールされると思います。これの詳しい使い方は別ページにて。
数値モデル用ライブラリ (電脳製品)
ISPACK・SPMODEL
# apt install -y ispack # apt install -y spml
文書関係ソフトウェアのインストール
テキストエディタ
yatex: emacs での TeX モード。TeX書くときに便利。(結構パッケージ取得するのでインストールに時間かかります)
# apt install -y yatex
ビューア
EPSファイルやPDFの閲覧で必要
# apt install -y evince # apt install -y gv
LaTeX
TeXで文書を書く
# apt install -y texlive-lang-cjk # 日本語環境 # apt install -y xdvik-ja # apt install -y texlive-latex-extra
さいごに
パッケージの検索
- 上記以外にも必要となるパッケージが出てくると思いますが、その都度、パッケージを検索して
# apt install -y パッケージ名
と対処しましょう。
インストールしたパッケージの検索
dpkg -l
でインストール済のパッケージを一覧表示できるので、grep
コマンドでパッケージ名を絞り込むとよい。
工事中
- その他インストールしたパッケージ(under construction...)